たまにはよその曲も聴こう!ハロヲタ的?アイドル楽曲大賞2020

すったもんだの2020も遂に最終コーナーに入りました。

 

近年のハロヲタにとって年末の恒例行事と言えば紅白落選の上手い言い訳合戦、それとハロプロ楽曲大賞です。

ただ残念なことに今年は接触イベントが出来なくなったせいか、楽曲のリリースが非常に少なく、いささか盛り上がりに欠けます。

 

 

ウサギちゃんシンドロームは最高だけど期間外だし。

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なんか物足りないなぁと思ってるそこのあなた!!

良いものがありますよ。

ハロプロ楽曲大賞から派生した、アイドル楽曲大賞です。

 

とはいえ、普段はハロプロしか聞かないという方も多いでしょう。

僕もハロプロにしかお金を使わない(使えない)ヲタクで、TIFFみたいなアイドルフェスさえ行かないヲタクです。だいたい、ハロプロだけでYoutube、ラジオ、ブログ、インスタ、雑誌、テレビ、etc...過去のもの含めるとコンテンツが無限にありますからね。

 

そんなわけでこれまで存在は知りつつも参加できていなかったアイドル楽曲大賞。でも最近は楽曲に力を入れたアイドルも増えたせいか、ちらっと耳にした曲が正直ハロプロより良いんじゃないかと思うこともあったりなかったり...

ちょうど良いタイミングなので、いわゆる楽曲派、すなわち音楽性の高い楽曲を売りしているアイドルを中心にいろいろと聴いてみました。

 

いやぁ!素晴らしい!こんな時期にもかかわらず、いやこんな時期だからなのか魅力的なアイドル楽曲がガンガンリリースされています。

 

今回はその中でも選りすぐりの15曲をランキング形式でご紹介したいと思います。今年から導入されたレギューレションに準拠し、1グループにつき1曲ですので、気になった曲があったら是非そのグループの他の楽曲も聴いてみることをお勧めします。

 

なお、アイドル楽曲大賞はメジャーとインディーズで部門が分かれているんですが、もはやそれほど意味のある区分けだと思えないので特に区別を設けていません。一応投票をされる方の参考までにクレジットの横に表記をしておきました。

 

また、全曲サブスクで聴けるので、プレイリストも作っておきました。文章読んだり動画の再生ボタンを押すのがかったるいよって人は目次から飛んでまず曲だけ聴いてみてください。それではいってみよう!

 

 

 

第15位 特別じゃない私たちの物語 / Tip toe.  

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作詞:本間翔太 作・編曲:瀬名航  インディーズ

楽曲派といえば外すことができないのがtipToe.です。ギターロックを基調としながら、温かみのあるキラキラとしたサウンドが特徴。発展途上の歌声と合わさって非常に明るい平和なエモさを生みます。

tipToe.は結成時から3年間の活動期限が決められており、今年の1月にその3年の活動を終えて1期生が卒業。集大成とも言えるこの曲にはその音楽性と物語性が見事に集約されています。3年って短いように感じるけど、アイドルにとってもヲタクにとっても完全燃焼するのにちょうど良い期間なのかとも思いますね。プロデューサーの本間さんが詳しい楽曲の解説を書かれているので気になる方は是非。

 

第14位 シャラララ / ONEPIXEL

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作詞:HIROMI 作曲:STARFISH・ELLEN BERG・BIG-F 編曲:STARFISH メジャー

我らが宮本佳林ちゃんのかつての盟友、たなぴょんこと田辺奈菜美ちゃんが所属するONEPIXCELの最新シングル。前作Final Callがクソかっこよくて度肝を抜かれたんですが、今回もかいけつゾロリの曲とは思えない壮大でグローバルな仕上がりです。 間奏のフッフーっていうボイスチェンジャーが楽しい。ワンピクは事務所のせいか関わってる人材が他のアイドルとは結構違っていてこれもK-Pop系の人とかつれてきたのかなって思ったんですが、もはや詳細不明。この高校生トラックメイカーっていう人だと思うんですが、会社がユニバーサルだから違うかなぁ...。ドルヲタに全くこびることなく黙々とタイアップをとってくる、ある意味アイドル界で一番メジャー感のあるグループです。

 

第13位 愛ね暗いね / 代代代

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 作詞・作曲:小倉ヲージ インディーズ

ワンピクとはうってかわって超アンダーグラウンドな音楽をやっているのが代代代。轟音降り注ぐハードコアテクノです。とっつきにくいジャンルではありますが、耳を育てると没入感が強く、中毒性が高い。今回は初のフルアルバムから比較的聞きやすく、非常にキャッチーな一曲を紹介します。最初はうるせぇなって思ってもある日突然気持ちよく感じる瞬間がくるんですよね。気がつけばサビのバスドラ連打に強い快楽を感じている自分がいる。一緒に新しい扉を開きたい方は是非。

 

第12位 ポプラ / 開歌-かいか-

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作詞・作曲:タカハシヒョウリ 編曲:サクライケンタ インディーズ

今年解散してしまった楽曲派の雄、sora tob sakanaを輩出したテアトルアカデミー出身のメンバーに、元アイドルネッサンス百岡古宵が加わり、レーベルはタワレコのT-Pallet Recordsと楽曲派界隈から生まれた開歌-かいか-。王道進行の非常にシンプルな曲ですが、みんな大好きサクライケンタ先生の徹底的に整理された幾何学的なトラックにのり、素朴な歌声がよく染みます。この曲が収録されているミニアルバムも全体として素晴らしく、ハイカロリーなアイドル楽曲に疲れた時にお勧めです。

 

第11位 水生 / CYNHN

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作詞・作曲:渡辺翔 編曲:eba インディーズ

CHNHN(スウィーニー)はポストロック、エモ的な楽曲と青で統一されたクールで端正なビジュアルイメージが売りの四人組です。それほど好きなジャンルではないんですが、とにかくクオリティが凄まじいですね。特に印象的なスラップベースは中高生から絶大な支持をうけている覆面バンド「ずっと真夜中でいいのに。」、通称ずとまよの二本家良介が担当。クリアで現代的なサウンドがビジュアルに見事にマッチしています。

 

第10位 good dayなday / PANDAMIC

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作詞・作曲・編曲:タイヘイ インディーズ(ノミネートなし)

いやぁこういう曲好きなんですよね。自分が高校ぐらいのときによくきいてた無名のインディーズバンド(この動画よりは再生されてたけど)の曲みたいなエネルギーを感じます。特に一番のサビから落ちサビみたいな半ブレイクになるのも荒削りな感じして最高です。2番のAメロのドラムとベースとギターそれぞれかっ良いと思うフレーズもってきて合体させたみたいなとこも好きです。歌も上手すぎず下手すぎずちょうど良い。この曲調であんまり歌がうまいとむかつきますからね。

 

第9位 ノンフィクション / NELN

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作詞:Chiori Morioka 作曲Shinnosukena kasonone  編曲:arisa oomori インディーズ

我らがハロプロはおそらく秋元系を覗くと唯一といっていいCD販売でペイできてるグループなので、接触できない→イベントできない→CD売れない→曲を出せないってことになってると思うんですが、元々CDなんて大した枚数売れないし、接触ならチェキの方が利益率高いですから関係ない。むしろ接触できないからこそ音源を売るって考えもありですよね。

儲けが出てるかはわかりませんが今年の4月にデビューして12ヶ月連続リリースを敢行しているNELNというグループがあります。MVもしっかり作っているのですが、そこまでやると流石にペイできない気が...

それはさておき、どの曲も素晴らしい良い出来です。特に面白いかったのがこの曲。メランコリックなギターのイントロから歌メロに入ろうかと言うところで急に、のっぺりとしたシンセベースとシンセギターが鳴るんですよね。いかにも打ち込みましたみたいな感情のなさ。狭い部屋に押し込められたような閉塞感が漂います。ここから抜け出そうとする焦燥が曲を展開させていく...

なんていう曲調を全く反映せずひたすら能天気に明るいMVが笑えます。歌詞から自動で素材を組み合わせて生み出されたカラオケ映像みたいだな。公式なんだけど。でも可愛いからヨシッ!!

 

第8位 メインストリートは朝7時 / MELLOW MELLOW

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作詞:深川琴美 作曲・編曲:宮野弦士 メジャー

金澤朋子さんのブログにたまに登場することでお馴染み、元さんみゅーの野田真美ちゃんが所属するグループです。コンポーザーはハロヲタからも大人気のフィロソフィーのダンスの楽曲を手がけてきた宮野弦士。サビでの弾むようなタンバリンの四つ打ちが上がりますね。

抜群の歌唱力を誇るSENAちゃんのボーカルも冴え渡っています。SENAちゃんはとにかくsの発音が綺麗なんですよね。よくある手法ですが、sundayとかsweetとかshoppingと頭にsがつく英単語や、watashi、fushigi,atarashiiとsで音を伸ばすところが沢山あり、自然にsにアクセントがつくように符割りが出来ています。

歌も含め音一つ一つのディティールにまで気が配られた非常に耳触りの良いサウンド。朝の爽やかな時間を過ごすにはうってつけの一曲です。

 

第7位 しずくとカーテン(Acoustic Version) / 川上きらら,児玉律子

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作詞・作曲:Inagi 編曲:長谷川泰宏&後藤充彦 インディーズ

 

南波一海アイドル三十六房を観ているかたならお馴染み、うさぎのみみっく!!の川上きららちゃんと、元ハロプロ研修生児玉咲子ちゃんの妹でFAREWELL.MY L,u,vの児玉律子ちゃんのユニットです。咲子ちゃん可愛かったのでもうちょい続けて欲しかったな。あっ、分からなくても大丈夫です。

児玉律子ちゃんはグループに在籍しながらうさぎのみみっく!!に加入したそう。今回は手始めにうさみみの既存楽曲をアコースティックアレンジでカバー。何も派手なことをしていないのですが、とにかく二人の歌声が絶品です。

ハロプロでいうときららちゃんはフクちゃんのような包容力のある優しい歌声で、律子ちゃんは梨沙子のようなソウルフルでパンチのある声質です。対照的な声を持つ二人のかけあいとハモリはお互いの良さが際立つ理想的なマリアージュ。特にサビの"きらきらきら"とか"さわさわさわ"っていう擬音パートが可愛らしくてキュンときます。"あなたを透き通してして観る世界は"っていう詞も素晴らしいですね。きららちゃんのボーカルは天才的とも呼べる可愛さなのでソロもお勧めです。

 

第6位 星降る引きこもりの夜 / でんぱ組.inc 

 作詞・作曲:の子 編曲:浅野尚志 メジャー

世間にその名を轟かせた頃のでんぱソングとは一味も二味も変わり、幅広い音楽を取り入れているでんぱ組。去年「形而上学的魔法」で話題を読んだ諭吉佳作/men提供の「もしもしインターネット」とどちらにするかかなり迷ったんですが、より深くまで刺さったのはこっちでした。

タイトルとイントロの叙情的なピアノリフでもしやと思いましたが、神聖かまってちゃんのフロントマンであるの子が提供したです。エキセントリックなパブリックイメージとは裏腹に、の子はとにかく美しいメロディを書きます。ボーカルのピッチを加工して歪な女声を産み出したりしていたの子とでんぱ組とのサウンド的な親和性は言うまでもなく、でんぱの声が持っている"うるるさ"がノイジーなシャウトから感じるような心揺さぶるエナジーに変換されています。世に溢れる孤独な夜の静寂を打ち破って優しく鳴ってくれるお守りのような一曲です。

 

第5位 悲しみの子供たち / Maison book girl

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作詞・作曲・編曲:サクライケンタ メジャー

 

楽曲派アイドルの極北をひた走るトップランナー、ブクガ。ブクガといえば変拍子ということでこちらも5拍子で作られています。この曲の収録されたアルバムではより多くのリスナーを獲得するため他の曲は意図的に4/4で作ったそうですが、この曲も5拍子とは思えないほどのキャッチーさ。

Aメロは4拍、3拍、2拍と歌メロのフレーズの長さが常に変化して変拍子を強調する一方で、サビに入ると<か・な・し・み・の><こ・ど・も・た・ち>と1小節に均等に言葉が収まるのが心地よいですね。日本語は構造上一音に対して多くの音節をのせるのが難しい一方で、一ずつのせれば詞を強力に押し出すことができます。そして日本語のリズムは基本的に5音や7音と奇数で区切れるので、実は変拍子と相性がよかったりして。変拍子であることの必然性を十分に感じる上にそんなことを全く考えなくても楽しめる素晴らしい楽曲です。

 

第4位 ネコちゃんになっちゃうよ〜  / クマリデパート

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作詞:sora 作・編曲:K's インディーズ

 

さて続きはサクライケンタさんのプロデュースする(自称)完全王道アイドル、クマリデパートより、あの南波一海さんも絶賛した超絶名曲です。

 

チップチューンの可愛いサウンドもさておき、何より歌詞が凄い。

 

意味なんてないよ ネコになりたいよ

ネガティブなんて 海に投げ捨てて

パンチパンチ キックで 人をやめたいよ

HAPPY はっぴぴぃー

今宵は踊り明かそう

 

あぁ、これほど深い共感を誘う歌詞があるでしょうか(、いやない)。メンバーの体験を元にしているそうなのですが、南波さんが評価した理由がよく話からいます。人間生きてればネコになりたくなるよな。サビ前のブレイクも聞けば聞くほど癖になり、もう1日に1回は聞かないと震えがとまらない体になっちゃいそう。いや、ネコになりたい。

第3位 清濁合わせていただくにゃー  / わーすた

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作詞・作曲:田淵智也 編曲:岸田勇気 メジャー

ということで、ネコちゃんになってしまいました。世界最強の猫耳アイドル、わーすたのニューシングルです。提供はUNISON  SQUARE GARDENの田淵氏。暴れまわるベース、明らかに規定量オーバーのキメの多用、リズム感重視で慣用句や横文字を詰め込みまくった早口言葉のような歌詞。やりたい放題?いやこれが通常営業です。

しかしこの減速しないジェットコースターのような楽曲を軽々と乗りこなすわーすたの実力には感服です。三品瑠香さんの圧倒的なパワー、リーダー廣川奈々聖さんの抜群の安定感と変幻自在の表現力を核として、カッコよさと可愛さが超ハイレベルで両立しています。そりゃちぃちゃんも憧れますね。ハロヲタにも激推ししたい一曲です。

 

第2位 ナイスポーズ /  RYUTist

作詞・作曲・編曲:柴田聡子 インディーズ

新潟のローカルアイドルで楽曲派と言えばかつてはNeggico一択だったんですが、今はRYUTistを思い浮かべる人も増えてきたのではないでしょうか。収録曲が発表されるたびに大きな反響があった、アルバム『ファルセット』。アルバム部門1位は堅いのではないかというこの名盤から一曲しか選べないというのは非常に残念ですが、僕はこの曲を推したいと思います。

つんのめるような独特の符割りは中毒性が高く、特に0:45~1:00とかなり長尺なソロパートで宇野友恵さんが披露しているボーカルは白眉。渋谷系っぽいアコースティックで音数の少ないトラックもRYUTistの清廉なイメージを良く表しています。

残り1分くらいになってようやくサビと言えるパートに入ってそのままエンディングを迎える構成も清々しくて好みです。僕はこれを勝手に情熱の薔薇エンディングと呼んでいます。他の曲も素晴らしいので是非アルバムを通しで聞いてみてくださいね。

 

第1位 ハーバームーン  / nuance

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 作詞・作曲:佐藤嘉風 インディーズ

nuanceは横浜を中心として活動する四人組。佐藤嘉風さんが作る奇想天外ながらキャッチーな楽曲はアイドル界広しといえど唯一無二で、これまでも「ミライサーカス」や、「タイムマジックロンリー」などの怪作を世に送り出してきました。しかし昨年末に出たこの「ハーバームーン」はまた一つ上の次元にあるように思えます。

ミニマムで都会的なトラックの上にmisakiさんの冷ややかで滑らかな質感の声で繰り出されるラップ。わかちゃんの声もリリック通り色気があり引き込まれます。なんだこの肉感とエナジーは!!

これまでnuanceと言えば坂道系のような無機質なユニゾンだったのです。それがこのグループの良くも悪くも主張のないシュールな雰囲気と対応していた反面、個々人の歌声を聞く機会はありませんでした。これほど素晴らしいタレントだったのは正直驚き。横浜といっても緑区かせいぜい保土ヶ谷あたりのイメージだったのが、急にみなとみらいに来たような感じがします。

サビはやっぱりユニゾンなのですが、最後の「バーン!」で脳内麻薬がドバドバ出ます。新しいのにどこをとっても隙がなく、何より聞いていてひたすら楽しい極上のポップス。すでに楽曲派ヲタクには知れ渡ってはいますが、より幅広く聞かれるべきマスターピースだと思います。 

 

以上、お勧めのアイドル楽曲15選でした。ちなみに順位は僕の趣味とハマり具合なのでこの中で優劣はありません。オススメ順です。

 

投票は1日からの予定が一週間伸びたので、これに限らず色々とチェックして投票曲を考えると楽しいかと思います。最後に紹介した楽曲をまとめたプレイリストを貼っておきますのでご活用ください。

 

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